59話. 光を超えた? ニュートリノさんありがとう ― 2011/09/25 20:32
2011年9月23日は、人類にとって記念すべき日になるかもしれない。CERNを中心とする国際協力プロジェクトが、ニュートリノが光の速度をわずかにだが超えているという観測結果を発表したのだ。スイスのジュネーブからイタリアのグランサッソ国立研究所までの730キロの距離を、人工ニュートリノが光よりも60ナノ秒早く飛んだといことだ。光に比べて速度が0.0025%速かったことになる。
この結果が正しければ、ずいぶんとおもしろく、そしてとんでもないことが起きる。質量を持つものが光の速度を超えることはないという、アインシュタインの特殊相対論に綻びができることになる。100年間揺るぎの無い地位を誇っていた相対論に代わる新しい物理理論が必要となる。時間の概念も変わるのだろうか?光の速度を超えるニュートリノは、いままでは想像上のものでしかなかったタキオン粒子として時空を超える存在なのか、あるいは、光とは別の尺度をもつニュートリノ独自の時間を持つのか。宇宙全体のシステムを考える場合、光よりも早く情報を伝える媒体があったとすると、いままでの理論をかなり見直す必要が出てくるかもしれない。いずれにしても、物理にとってはずいぶんとエキサイティングな時代が訪れたようである。
ニュートリノはたいての物質とは相互作用しない。僕達自身や、周りのあらかたの物は、光とは強く相互作用するが、ニュートリノとは無縁といっていいだろう。物質間の相互作用、情報の交換は、光の媒介によって進んでいくはずだ。とすると、少なくとも通常の環境の時間は、やっぱり光の速度を基準として進んでいくような気がする。だから、実生活が変ることにはならないだろうが、もしも、人工ニュートリノの発生と観測が簡単にできるようになったら、どうなるのだろうか?エレクトロニクスやフォトニクスが生まれたように、ニュートリニクスなんていう技術領域ができるのだろうか?光よりも0.0025%速く進むニュートリノで通信をおこなったら、何かおもしろいことが起きるのだろうか?これから、いろいろなことを考えることができそうだ。
今回発表された実験結果は、よく吟味されているとはいえ、まだまだ不確定のものである。これから様々な機関で追試がなされ、いずで白黒がはっきりするだろう。僕としては、実験結果が正しくて、物理が熱くとんでもない時代に突入することを願うばかりだ。
まあ、なにはともあれ、賽は投げられた。ニュートリノさんありがとう。とりあえず乾杯! ということで、この3連休はずいぶんと飲んだくれてしまった。僕の頭の中の宇宙を飛び交う情報は遅くなっていくばかりだ。
この結果が正しければ、ずいぶんとおもしろく、そしてとんでもないことが起きる。質量を持つものが光の速度を超えることはないという、アインシュタインの特殊相対論に綻びができることになる。100年間揺るぎの無い地位を誇っていた相対論に代わる新しい物理理論が必要となる。時間の概念も変わるのだろうか?光の速度を超えるニュートリノは、いままでは想像上のものでしかなかったタキオン粒子として時空を超える存在なのか、あるいは、光とは別の尺度をもつニュートリノ独自の時間を持つのか。宇宙全体のシステムを考える場合、光よりも早く情報を伝える媒体があったとすると、いままでの理論をかなり見直す必要が出てくるかもしれない。いずれにしても、物理にとってはずいぶんとエキサイティングな時代が訪れたようである。
ニュートリノはたいての物質とは相互作用しない。僕達自身や、周りのあらかたの物は、光とは強く相互作用するが、ニュートリノとは無縁といっていいだろう。物質間の相互作用、情報の交換は、光の媒介によって進んでいくはずだ。とすると、少なくとも通常の環境の時間は、やっぱり光の速度を基準として進んでいくような気がする。だから、実生活が変ることにはならないだろうが、もしも、人工ニュートリノの発生と観測が簡単にできるようになったら、どうなるのだろうか?エレクトロニクスやフォトニクスが生まれたように、ニュートリニクスなんていう技術領域ができるのだろうか?光よりも0.0025%速く進むニュートリノで通信をおこなったら、何かおもしろいことが起きるのだろうか?これから、いろいろなことを考えることができそうだ。
今回発表された実験結果は、よく吟味されているとはいえ、まだまだ不確定のものである。これから様々な機関で追試がなされ、いずで白黒がはっきりするだろう。僕としては、実験結果が正しくて、物理が熱くとんでもない時代に突入することを願うばかりだ。
まあ、なにはともあれ、賽は投げられた。ニュートリノさんありがとう。とりあえず乾杯! ということで、この3連休はずいぶんと飲んだくれてしまった。僕の頭の中の宇宙を飛び交う情報は遅くなっていくばかりだ。