16話. 光を描くなら何色?2010/09/05 22:25

人は、白い紙に光を描くとしたら、何色で描くのだろう。僕の場合は赤だ。もちろん、意識的に青や緑を使うことはあるが、無意識的に描くとしたら赤になってしまう。そういえば、「レーザ危険」のマークも、レーザ光線は赤で描かれている。どうも個人に依存することではなく、人間の感覚に共通する理由がありそうな気がする。

赤の語源は、明暗の明(あか)と同一語源で、まさに明るいことに関連しているらしい。明るい光が赤というのは、日本人が古来から持つ共通のイメージなのだろうか。試しに、家人にどうかと聞いてみたら、黄色だと言い張る。話はそれほど単純ではなさそうだ。

もう少し調べてみたら、実は、大昔には赤と黄色の区別ができていなかったらしい。すなわち、赤といったら、赤だけではなく、黄色も含んでいたということだ。たぶん、明るいと言えば太陽の光が大元で、そこからイメージが形成されてきたのではないか。そう推測すると何だか理にかなっているような気もする。

もっとも、最近では青や緑のレーザやLEDなどの明るい光源がたやすく手に入る時代だから、これからの世代の人たちは、光と言えばそういう色をまず最初に頭に思いうかべるようになっていくのかもしれない。

実際、世代や地域(国)などによって、光の色に対するイメージはどのようになっているのだろうか。異なっているのか、あるいは共通なのか。ずいぶんと興味あることである。